お盆や年末年始が近づくと、そわそわする。楽しみじゃなくて、緊張のほう。これ、私も悩んだテーマです。

義実家への帰省がつらいと感じている人は、実はかなり多いんです。ヨムーノが2025年12月に実施した調査では、約3人に1人が義実家への帰省は「気が重い」と回答しています。つらいと感じているのは、あなただけじゃない。

この記事では、新婚3年目の筆者が実際にやってみて効果があった「撤退ライン」という考え方を紹介します。夫婦で帰省前に決めておくだけで、義実家イベントへの恐怖感がかなり減りました。

義実家への帰省、なぜこんなにつらいのか

まず前提として、義実家への帰省がしんどいのには理由があります。自分のペースで過ごせない。会話に気を遣う。知らない親戚がいる。食事のタイミングも寝る時間も、全部が相手のリズムに合わせることになる。

積水ハウスの調査によると、義実家への帰省で4割の人が「気を遣うこと」に悩んでいるそうです。正直に言うと、私も入籍してからの初めてのお盆で「ずっと笑顔でいなきゃ」と思い込んで、帰ってきた後に3日間くらい放心状態でした。

しかも厄介なのが、つらさの正体が目に見えないこと。暴言を吐かれたとか、ひどいことをされたとか、そういう「わかりやすい被害」じゃないケースが多い。ただ疲れる。でも理由をうまく言語化できない。夫に伝えても「考えすぎじゃない?」で終わってしまうこともあって、それがまたしんどさを増幅させるんですよね。

「撤退ライン」を事前に決めるという発想

撤退ライン。聞き慣れないかもしれません。

これは「ここまでがんばるけど、ここを超えたら帰る」という基準を、帰省の前に夫婦で決めておくことです。たとえば「滞在は3時間まで」「つらくなったら体調不良を理由に帰る」といったもの。

失敗談ですけど、私は以前、義実家のイベントに行くたびに「最後まで付き合わなきゃ」と思っていました。訪問頻度は月1回に減らせたのに、お盆や年末年始になると距離がぐっと縮まって、ストレスが再燃してしまう。そこで夫と話し合って始めたのが、この撤退ラインです。

ポイントは、当日その場で決めるんじゃなくて、事前に2人で共有しておくこと。当日は判断力が鈍るし、「もう少しいたほうがいいかな」という空気に流されやすい。だから冷静なときに決めておくのが大事なんです。

撤退ラインの決め方|3つのステップ

具体的にどうやって決めるか、わが家の方法を紹介します。

ステップ1:滞在時間の上限を決める

まず「何時間までなら大丈夫か」を夫婦で話します。うちの場合は3時間がちょうどよかった。食事をして、少し話して、デザートを食べたら帰るくらいのイメージ。宿泊が前提のイベントなら、「1泊まで」「2泊目の朝には出発」のように具体的な時刻で決めておくのがおすすめです。

ステップ2:撤退の合図と理由を決める

「つらい」と感じたときに使うカードを決めておきます。わが家は「体調が悪くなった」をメインの理由にしました。夫に「ちょっとお腹の調子が……」と伝えたら、夫が義母に「今日はこのへんで」と切り出す。この連携を事前に練習しておくだけで、安心感がぜんぜん違います。

ステップ3:連絡窓口を夫に一本化する

帰省の日程調整や当日の連絡は、すべて夫経由にしました。義母に直接「早めに帰ります」と伝えるのは角が立ちやすい。でも息子である夫が「仕事の都合で」「明日の予定があって」と伝えれば、義母側も受け入れやすいんです。理由をネガティブにしないのもコツで、「帰りたい」じゃなくて「次の予定がある」に変換するだけで印象が変わります。

実際にやってみた結果

撤退ラインを導入して、実際に「カード」を切ったのは1回だけでした。

でも、たった1回しか使っていないのに効果は大きかった。「いざとなれば帰れる」という逃げ道があるだけで、帰省前のあの重たい気持ちがかなり軽くなったんです。2026年5月現在、この方法を始めて1年ほど経ちますが、義実家イベントへの恐怖感は大幅に減りました。

夫も「事前に決めておくと、当日どうするか迷わなくていい」と言っていて、これは夫側にもメリットがあるようです。帰省中に妻の顔色をうかがい続けるストレスがなくなるらしい。

「セパレート帰省」も選択肢に入れてみる

もうひとつ、知っておいてほしいのがセパレート帰省という方法。夫婦が別々にそれぞれの実家へ帰るスタイルです。

ヨムーノの調査(2025年12月)によると、セパレート帰省に前向きな人は63.9%にのぼります。日本経済新聞でも、実際にセパレート帰省をした経験がある人が6割という数字が報じられています。共働き世帯が増えた今、「夫婦そろって帰省するのが当然」という前提は変わりつつある。

セパレート帰省は毎回じゃなくていい。「今回のお盆は別々にしよう」「年末年始はどちらかだけ」のように、柔軟に組み合わせるのが現実的です。大切なのは、夫婦で話し合って決めること。どちらかが一方的に決めるとモヤモヤが残ります。

帰省がラクになるマインドセット

最後にひとつ。これ、私も悩んだ末に気づいたことなんですが、義実家との関係は「完璧」を目指すと壊れます。

毎回笑顔で、手土産を欠かさず、長時間滞在して——そんな理想の嫁像を追いかけると、どこかで爆発する。私自身、入籍2年目にまさにそうなりました。完璧な嫁を演じ続けて、ある日もう無理ってなった。そこから夫と話し合って、訪問を月1回に減らし、手土産も記念日だけにした。結果、義母との関係はむしろ自然体になって、今は程よい距離で安定しています。

がんばりすぎは、関係にとって毒になることがある。「程よさ」は自分で決めるしかないんです。撤退ラインも、セパレート帰省も、全部その「程よさ」を見つけるためのツール。罪悪感を持つ必要はありません。

FAQ

義実家への帰省がつらいのは普通のことですか?

はい。ヨムーノの2025年12月の調査では約3人に1人が「気が重い」と回答しており、珍しいことではありません。気を遣う環境に長時間いること自体がストレス源になるのは自然な反応です。

撤退ラインを義母に直接伝えるべきですか?

直接伝える必要はありません。夫を窓口にして「仕事の予定がある」「明日の準備がある」など、ポジティブな理由に変換して伝えるのがスムーズです。角を立てずに時間をコントロールできます。

セパレート帰省は義両親に失礼になりませんか?

2025年時点で前向きに捉える人が6割を超えています。「一緒に行かない=不仲」ではなく、共働きのスケジュール上の合理的な選択として受け入れられつつあります。事前に理由を丁寧に伝えれば問題になりにくいです。

夫が「気にしすぎ」と言って取り合ってくれません。どうすればいいですか?

感情ではなく具体的な事実を伝えるのが効果的です。「つらい」ではなく「3時間を超えると頭痛がする」「帰宅後に3日間疲れが取れない」のように、体の症状や時間の数字で伝えると、夫も状況を把握しやすくなります。

参考文献