お盆や年末年始が近づくと、ふと気になる。「あれ、うちってずっと夫の実家ばかり行ってない?」。自分の実家には年1回なのに、義実家は年3回。交通費もこっち持ち。なんとなくモヤモヤするけど、「ケチくさい」と思われたくなくて言い出せない——。
これ、私も悩んだテーマです。結婚してから最初の1年は「夫の実家が遠方だから仕方ない」と自分を納得させていたけれど、2年目のお盆に自分の実家をスキップしたとき、母親の「忙しいもんね」という声のトーンで胸がチクッとした。あのとき初めて、帰省の偏りが自分だけの問題じゃないと気づきました。
2025年のオレンジページの調査では、帰省そのものを「しない」と答えた人が6割を超えています。一方で帰省する人の中では、約48%が「自分の実家のみ」、約38%が「両方の実家」に帰省し、義実家のみは14%にとどまるというデータも。つまり両家を平等に回っている家庭のほうがむしろ少数派なんです。
この記事では、帰省の偏りが生まれる原因と、夫婦で「なんとなく」を卒業して両家バランスを整える3つのルールを、新婚3年目の実体験をまじえて紹介します。
帰省が「片方の実家ばかり」になる3つの原因
まず、なぜ偏りが生まれるのか。正直に言うと、うちも最初は「距離」のせいだと思い込んでいました。でも振り返ると原因はもっと複合的でした。
原因1:距離と交通費の差
夫の実家が遠方だと「せっかく行くなら泊まりで」となり、1回あたりの滞在日数が長くなる。自分の実家が近いと「いつでも行けるし」と後回しになりがち。結果として、遠いほうに合わせてスケジュールが組まれ、近いほうが犠牲になる構造ができあがります。
原因2:「うちの親は気にしないから」の思い込み
自分の親が遠慮がちだと、「来なくていいよ」を真に受けてしまう。でもそれは本音ではないケースが多い。義母の「孫はまだ?」のように言葉に出してくれる側に引っ張られて、静かなほうの実家が置き去りになるんです。
原因3:夫婦で「方針」を決めていない
これが一番大きい。失敗談ですけど、うちも結婚1年目は帰省先を「その場のノリ」で決めていました。義母から「お盆は来るでしょ?」と言われたら断る理由がないし、自分の親には「また今度ね」で済ませてしまう。方針がないから、声の大きいほうに流れる。
帰省の偏りが夫婦関係にじわじわ効いてくる理由
「たかが帰省先の話でしょ?」と思うかもしれない。でもこれ、放置すると夫婦の間にじわじわ亀裂を入れます。
PRESIDENTの記事でも指摘されているように、妻の約7割が「義実家ブルー」を経験しているというデータがあります。帰省先の偏りは、気疲れの偏りに直結する。夫は実家に帰れば「息子モード」でくつろげるけれど、妻はずっとアウェー。この温度差が、年に数回の帰省のたびに積もっていきます。
もうひとつ見落とされがちなのが、自分の親との関係の希薄化。実家に行かない期間が空くほど、帰ったときの会話がぎこちなくなる。「娘が来なくなった」と親が感じるダメージは、本人が思っている以上に大きいものです。
さらに帰省の偏りには、お金の不公平もくっついてくる。交通費・手土産・滞在費——こうした出費が片方の実家に集中すると、家計にも感情にもひずみが出ます。
両家バランスを整える3つの夫婦ルール
ここからは、うちが試行錯誤して落ち着いた「帰省バランスルール」を3つ紹介します。完璧じゃないけど、モヤモヤはかなり減りました。
ルール1:年間の帰省回数を「見える化」して揃える
最初にやったのが、帰省回数の棚卸し。手帳を見返したら、義実家4回に対して自分の実家は1回。数字にしたら夫も「たしかに偏ってるね」と素直に認めてくれました。
そこで「年間の帰省回数は両家同じにする」をベースルールに設定。距離の問題で滞在日数に差が出るのは仕方ないけれど、回数だけは揃える。うちの場合は両家とも年3回(お盆・年末年始・どちらかの誕生日付近)に落ち着きました。
ポイントは、数字で見せること。「なんか偏ってる気がする」だと感覚論になって揉めるけど、「こっちが4回でこっちが1回だよ」と事実を出せば、感情の問題が構造の問題に変わります。
ルール2:帰省費用を「両家合算」で年間予算化する
帰省費用を夫婦で書き出して「帰省マネールール」を作ったら、お盆前のストレスが消えた——という経験が、このルールのきっかけです。交通費・手土産・滞在費・イベント費の4項目をスプレッドシートに記録して、年間の帰省予算を18万円と決めてボーナスから天引きしました。
大事なのは「両家合算で1つの予算」にすること。片方の実家が遠方で交通費がかかるなら、その分もう片方の手土産を奮発するとか、全体で帳尻を合わせる感覚。「うちの実家のほうが安いのに」という不公平感が消えます。
予算内であれば手土産のグレードを上げても揉めないし、逆に予算オーバーしそうなら「今回は日帰りにしよう」と冷静に判断できる。お金を見える化すると感情論にならず、数字ベースで話せるようになります。
ルール3:「帰省会議」を年2回やる
お盆前の6月と、年末前の10月に、15分だけ「帰省会議」をやる。議題はシンプルで3つだけ。
①今回はどっちの実家に何泊するか。②予算の確認。③前回のふりかえり(しんどかったこと、よかったこと)。
これ、最初は大げさに感じたんですが、事前に決めておくと「義母から連絡が来たけどどうする?」のドタバタがなくなる。夫婦で方針が固まっているから、義母にも自分の親にも迷いなく伝えられます。
ふりかえりを入れているのもポイント。「前回は3泊で疲れたから今回は2泊にしよう」みたいに、毎回少しずつ最適化できる。帰省の質が上がると、回数が同じでもストレスの総量が減ります。
「うちの親に申し訳ない」と思ったら、それがサイン
帰省の偏りに最初に気づくのは、たいてい「自分の親への罪悪感」です。お盆に義実家から帰ってきた夜、自分の母親にLINEを返せなかった——そんな小さなモヤモヤの積み重ねが、やがて夫への不満に変わる。
大事なのは、モヤモヤを「ケチくさい」「器が小さい」と封じ込めないこと。帰省のバランスは、夫婦がお互いの家族を大切にしているかどうかのバロメーターです。数字にして、予算にして、会議にして——仕組みにすれば、感情で揉めなくなる。
完璧なバランスなんてないけれど、「なんとなく」で決めていた帰省を「ちゃんと話し合って決めた帰省」に変えるだけで、夫婦の空気はだいぶ変わります。
FAQ
帰省の回数を両家で揃えるのが難しい場合はどうすればいい?
回数が揃えられないときは「接触の総量」で調整するのがおすすめです。遠方でなかなか行けない実家にはビデオ通話の頻度を上げる、近い義実家は日帰りにして回数を減らすなど、「顔を合わせる時間の合計」で考えると柔軟に対応できます。
夫に「帰省が偏ってる」と切り出すのが怖いです
感情で伝えると防御反応が出やすいので、まず手帳やカレンダーで過去1年の帰省実績を書き出して「数字」にするのがコツです。「偏ってると思う」ではなく「こっちが4回でこっちが1回だね」と事実で見せるだけで、相手も受け止めやすくなります。
義母から「お盆は来るでしょ?」と言われたら断れません
断る必要はなく、「行く前提で日程と日数を調整する」のが現実的です。「今年は1泊で伺いますね」と具体的に伝えると、義母も予定が立てやすくなります。夫経由で伝えるとさらにスムーズです。
自分の親が「来なくていい」と言うのは本音?
多くの場合、遠慮しているだけです。「来なくていい」の裏には「忙しいなら無理しなくていいけど、本当は来てほしい」が隠れていることが多い。定期的に「次いつ行こうか?」とこちらから日程を提案すると、親も安心します。
参考文献
- 帰省しないが6割超え⁉どちらの実家、マナーは?アンケート結果公開 — オレンジページ
- 【夏の帰省】に関する意識調査を実施!約4割が「帰省しない」選択 — 株式会社ベビーカレンダー / ヨムーノ, 2024年
- 帰省中に「妻が不機嫌」になる本当の理由 — PRESIDENT Online
- 「実家って、なんかしんどい」帰省ブルーの実態調査 — 合同会社serendipity






