これ、私も悩んだ。結婚して2年目の春、気づけば3ヶ月連続で友達の結婚式に出席していた。ご祝儀3万円×3回で9万円。ドレスのクリーニング代、ヘアセット代、交通費を足したら、ひと月あたりの「結婚式出費」は4万円を超えていた。

おめでたいことなのに、財布を開くたびにモヤモヤする。夫に「今月もご祝儀あるんだけど」と切り出すと、「またなの?」と言われて、なんだか自分が悪いことをしている気分になった。

20代後半〜30代前半は、誰もが通る「結婚ラッシュ」の季節。2024年にトキハナが実施した調査では、20代の64%がご祝儀3万円を「高い」と感じているというデータもある。祝いたい気持ちと家計のリアルが衝突するこの問題、夫婦でどう乗り越えればいいのか。正直に言うと、うちもルールができるまでに半年かかった。でも、今ではほとんど揉めない。その方法を3ステップで整理してみる。

なぜ「ご祝儀ラッシュ」で夫婦が揉めるのか

ご祝儀で揉める原因は、金額の大きさだけじゃない。

根っこにあるのは、「交際費をどこから出すか」のルールが夫婦の間で決まっていないこと。生活費や貯金のルールはあるのに、冠婚葬祭の出費だけ宙に浮いている——これが典型的なパターンだ。

全日本冠婚葬祭互助協会の令和5年度調査によると、友人の結婚式でのご祝儀は83%が3万円を包んでいる。3万円は「相場」として定着しているけれど、それが年に3〜5回続くと9〜15万円。ここに二次会費、交通費、衣装代を加えると、年間20万円を超えることも珍しくない。

しかもこの出費には厄介な特徴がある。招待状が届くまで金額も時期も読めない。予算が組めないから、毎回「どうする?」が発生して、その都度モヤモヤが積もっていく。

ステップ1:年間の「おつきあい費」を書き出す

最初にやったのは、年間でかかりそうな交際費を全部リストアップすることだった。

失敗談ですけど、うちは最初、ご祝儀だけを管理しようとして失敗した。実際に書き出してみたら、出産祝い、引っ越し祝い、友人との食事会、お歳暮——「おつきあい」に使うお金は想像以上に幅が広い。

書き出すときは、4つに分けると整理しやすい。

  • 確定イベント:すでに招待状が届いている結婚式、決まっている法事など
  • 予測イベント:「年内に結婚しそう」と聞いている友人、出産予定の同僚
  • 季節の交際費:帰省の手土産、年賀状、お歳暮(やる場合)
  • 突発枠:急な訃報、予想外のお祝いごと

うちの場合、結婚2年目にこれをやったら年間の交際費は合計で約28万円。月に換算すると約2.3万円。この数字を見て、夫と二人で「そりゃ毎月キツいわけだ」と納得した。

以前、夫婦で年間マネーカレンダーを作って特別費を洗い出したことがある。そのとき学んだのは、「見える化すると感情論にならない」ということ。交際費もまったく同じで、数字にして並べるだけで、話し合いのトーンが変わる。

ステップ2:「出し方のルール」を夫婦で決める

書き出したら、次は「どこから出すか」を決める。ここが一番揉めやすいポイントだと思う。

うちが試行錯誤して落ち着いたのは、こんな仕組みだった。

  1. 交際費用の積立口座を作る:年間予算を12で割って、毎月先取りで積み立てる。うちは月2.5万円を交際費口座に入れている
  2. 「自分の友人」は個人枠、「共通の友人」は共同積立から:夫の友人の結婚式は夫のお小遣いから出す。私の友人は私から。共通の友人だけ積立口座から出す
  3. 3万円を超える出費はひと言共有:二次会まで出る場合や遠方の式で宿泊が要る場合、事前にLINEでひと言だけ伝える

ポイントは、「相談」ではなく「共有」にすること。「出席していい?」と許可を求める形にすると窮屈になる。「来月、大学の友達の結婚式で横浜行くね。ご祝儀と交通費で4万くらい」と事実を伝えるだけでいい。

このルールを導入してから、「また結婚式?」という言葉がうちの会話から消えた。仕組みが公平であれば、感情の摩擦は驚くほど減る。

ステップ3:半年に1回「おつきあい費」をふりかえる

ルールは作って終わりじゃない。

うちでは毎月15分の「お金タイム」をやっていて、その中で半年に1回(6月と12月)を交際費のふりかえり回にしている。確認するのはこの3つだけだ。

  • 積立額は足りていたか、余っていたか
  • 想定外の出費はあったか(突発枠で吸収できたか)
  • 来期に予定されているイベントはあるか

最初のふりかえりは30分くらいかかった。でも2回目以降は15分で終わる。コーヒーを飲みながら数字を見るだけ。重い空気にはならない。

もうひとつ、ふりかえりの場で決めておくと楽なのが「今年は欠席してもいい式があるか」の判断基準。全部出席しなきゃ、と思い込むと精神的にもお金的にもキツくなる。「仲の良さ」と「家計の状況」を天秤にかけて、二次会だけ参加する選択肢もありだと、夫婦で共有しておくだけで気が楽になった。

「ご祝儀を減らしたい」は非常識じゃない

最後にひとつ。ご祝儀の金額について触れておきたい。

2026年6月現在、友人へのご祝儀は3万円が相場とされている。全日本冠婚葬祭互助協会の調査でも83%が3万円だ。ただ、経済的に厳しい場合は2万円でも失礼にはあたらないという見解が増えてきている。

大事なのは、金額よりも「お祝いの気持ちをどう届けるか」だと思う。ご祝儀を2万円にして、後日お祝いの品を贈る。そういう形もある。見栄を張って家計を壊すより、自分たちの暮らしを守りながら祝う方法を選んでいい。

交際費は、削ると人間関係に響くように感じるからこそ手をつけにくい。でもルールを作って見える化すれば、「お金の問題」が「仕組みの問題」に変わる。仕組みの問題なら、夫婦で一緒に解ける。

FAQ

ご祝儀用の積立口座は専用に作るべきですか?

理想は専用口座だけれど、管理が面倒なら生活費口座の中に「交際費枠」として金額だけ分けておくのでもOK。家計簿アプリでタグをつけて管理する方法も手軽でおすすめ。

夫と妻で交際費の金額差が大きい場合はどうすればいいですか?

「共通積立」と「個人枠」を分けるのがポイント。交友関係の広さは人それぞれなので、個人の交際費は各自のお小遣いから出すルールにすると不公平感が生まれにくい。共通の友人分だけ共同で積み立てる形がバランスを取りやすい。

結婚式を欠席したい場合、ご祝儀はいくら包めばいいですか?

欠席の場合のご祝儀は1万円が一般的。ご祝儀とは別に3,000〜5,000円程度のお祝いの品を贈ると気持ちが伝わりやすい。

二次会だけ参加する場合、ご祝儀は必要ですか?

二次会のみの参加であれば、一般的にご祝儀は不要。会費制の二次会ならその会費だけで問題ない。別途お祝いを贈りたい場合は、後日5,000〜1万円程度の品物を渡す形が自然だ。

参考文献